僕のヒーローアカデミア THE MOVIE 2人の英雄(ヒーロー)

僕のヒーローアカデミア THE MOVIE 2人の英雄(ヒーロー)

 

※ネタバレ含みますので、本編をご覧になっていない方は読まないでください…! 

 

公開から一か月…ようやく9月1日、今日観れました。結論から言うと「本当におもしろかった」です。それ以外の言葉でシンプルに説明できる自信がない…それくらいあっという間の時間で、2回続けて観たにも関わらず、同じ質の「楽しさ」がそこに詰まっていた。

 

まず冒頭からして卑怯である。多分途中までディヴと一緒に車に乗っていたんだろうけれど、ヴィランがパトカーとかを爆破させるのを見て、飛んで行ったんでしょう?そんでスカジャン靡かせて、背中には桜のイラストと「PLUS ULTRA」ですって?ずるい、かっこいい。「知らないけど、スッゲー!」って言いたくなるの、すごく分かる。すごすぎ。留学生であるオールマイト、逸話を残しすぎ…

 

collageって言うし、雄英を卒業したあとだと思うけれど…(ここでようやくVol.0を読む、んあああ…あ…)

 

気を取り直して…取り直して…!

 

ディヴの発明品であるcar本当にすごい…そしてオールマイトっていう強烈な存在が近くにいたら、ディヴのインスピレーションがどんどん刺激されるの分かる…そしてヴィランが放った爆弾をシャボン玉のようなもので包み込んで無効化するシーンだけで、ディヴがどんな人となりなのか、分かる。ああ、この人善い人だって泣きました。

 

何よりも「平和の象徴」となることを夢見る「Toshi」であり、「All Might」になりつつあるという途中段階だからこその「自由さ」「若さ」「無謀さ」「大胆さ」…それらに胸を高鳴らすしかなかった。ええ、冒頭シーンだけで、お腹いっぱいです。

 

ところでトシがディヴに夢(みんなが笑って暮らせる世界を創り、その世界を照らす光となること)を語るシーンと、先代志村がグラントリノに「八木俊典」という青年がいるということを話すシーンとで、ワンフォーオール所持者の立ち位置が一致しているのヤバかった…しかも話す内容もとても似てて…ああ…

 

そんな懐かしい時代を夢見て眠るオールマイト、寝顔、ああかわいい…10分くらい流してほしい…「緑谷、起こさなくていい…!」って心の中で話しかけました。ところでそれオールマイトのプライベートジェットですか?

 

今回の舞台となるI・アイランドに上陸…熱烈な歓迎を受けるオールマイト…しかしオールマイトの顔面にどうキスしたんだろう…身長差を無効化するためにしゃがんだのか…あるいはとんでもない脚力を持っているのか…?と真面目に考えました、数秒。

 

そして響く可憐な声、「マイトおじさま」というパワーワード。おじさま。ojisama。こんなに味わい深い「おじさま」がこれまでにあっただろうか。マイトおじさま。マイトおじさま。

 

時系列に沿って話を進めると長くなる上に、要点がぼやけると思い、ちょっと整理することにしました←

 

まず結論から言うと、「僕のヒーローアカデミア」におけるテーマのひとつであると思われる「”個性”の使いどころ」という課題が前面に出された印象がありました。生徒たちはまだプロヒーローではないから、”個性”を使用しての戦闘は避けなければならない、だが、救けを求めている人を救けたい(そのためには”個性”が必要であるというジレンマ)とも思う。ただそういうジレンマを軽く乗り越えてしまうのはやっぱり爆豪なんだなって感じました。彼は「勝つ」、それだけを純粋に求めている。いつだって爆豪はシンプルで強い、と感じました。デクもデクで、いろいろな制限があるにしろ、「救けたい」という想いがブレることはない。相澤先生が言う通り、方向性は真逆でも周りを巻き込む力がある。

 

オールマイトオールマイトで、多分あの程度の拘束は余裕で解けるちょっとセクシーでしたよね…?ねえ?はずだけども、自分が下手に動くことで大勢の犠牲が出るかもしれないのならグッと堪える。ここです、平和の象徴と謳われているのに、No.1ヒーローなのに、「ヴィランは狡猾だぞ」とヴィランを正当に評価し、己の力を過信しない。過信はしないけれど、救いを必要としている人がいたら、炎の中でも飛び込んでいく…(ディヴとの出会いのシーン/例のサービスショットありがとうございます)この歪さがとてもいい。そしてオールマイトが持つ自己成就的予言の力の凄まじさを再確認させられた。活動時間の限界が迫ろうとも、「平和の象徴なのだから」「生徒たちに発破をかけられては」「更に向こうへ」…自分はここまで強く”自分”に言い聞かせることができるか、って怖くなるくらい鬼気迫るものでした。凄まじい。あとブロンズエイジのコスチューム、モダンな感じで好きーーーー!!!もう少しゆっくり見たかった…あんな一瞬なんだもん…あとお弟子さんには正装を持ってくるように言っているのに、自分はコスチュームのまま…?と首を傾げたのはここだけの話(笑)

 

また個人的に印象的だった方は、飯田です。飯田君、いつも「危険だと思ったら引き返す。それを約束できるのなら…」と言いますけども、いざピンチになったら、「逃げるぞ!」じゃなくて、「ここは俺に任せて、みんなは行け!」って言ってしまうんですよ。かっこいい…って思うしかない。

 

そして上鳴くん…彼の「無差別放電」っていうのがとても気になっていて…派手ではあるけども、方向性を持たない攻撃であるということを気にしているのを窺える場面でした。ここと仮免試験の内容がつながってくるのかと思うと、胸が熱くなったよ…あとエンドロール間近に元に戻れてよかったよ、ウェイ!

 

もうせっかくだから他のメンバーについても書いちゃいます。吐き出します。

 

お父様の代理でいらっしゃった轟くん、スーツが燃えないように咄嗟に脱ぎ捨てるシーンで多くのファンをコロしましたね…?氷結の方は足や腕を使って、多彩な攻撃パターンを繰り出せるのに、炎のほうは放出(火力調整はできる)がメインという雑なところがいい。そこに彼の物語があると感じた。

 

初っ端から同じことを2回言っちゃうお茶子ちゃん、ドレス姿とてもかわいい、似合ってたよ。「ヒーローになる、ならない以前の問題だと思う」という発言、グッと来た。そして自分がピンチになっても”個性”解除しない、という気持ちの強さ。なんでヒロアカに出てくる高校生みんなメンタル強いの、わたしメンタル豆腐のままここまで生きてきちゃってるよ??

 

耳郎ちゃん、その落ち着いた話し方とても好きだなって思いました。多分サポート系の”個性”であることも関係していると思うけれど、前面に出るようなことはあまりないけれども、前面に出る人たちが安心できるよう、サポート役を買って出る。早く良いサイドキックに恵まれて欲しい。誰も傷つけることなく救けだせる可能性を秘めている。

 

頭皮を限界まで追い込んだ峰田くん…峰田くんはどこか自尊感情が低いのかな…?(あるいは周りが少し高い?ある種の鈍感さを備えているだけで、彼がいわゆる平均的なのかもしれないが)だが、いくら追い込まれようともやるべきことを果たせない人がたくさんいる中で彼はいつだって結果を出してきた!自分が既に輝いているということ、いつか気付けたら、と願わずにはいられない。既に結果を出しているという認識とエロパワーが合わさった時、峰田実はより確固たる存在になると思う。峰田実はやはり繊細な心を持っている。

 

八百万ちゃん、脂肪を使うって言うことを考えると胸から出すのが一番…?て考えちゃうくらいあの…恥ずかしかったです← あのデザインのドレスであの行為はダメだよー!!!

 

切島くーん、そのバラ柄のスーツどこで調達したの!?よくそれ着させようと思ったよね、よく着てくれたわよねあの子(マツ〇・デラッ〇ス風)あなたのそういう人懐っこいところ好き。あと戦闘が終了して、爆豪に「”個性”解除すりゃいいだけだろ」って言われるまで力んでいることに気付かない切島くん。いつでも戦闘に戻れるよう力を入れていたのかと思うと、その一途さにまた胸が熱くなる。

 

あと他のA組の方にも活躍させてほしかったです。この一言に尽きる。特に夜の帳が下りる頃と言えばあの人(子?)でしょ!ダメ?

 

デヴィットに関して…デヴィットの言う「オールマイトという光が失われるのが怖かった」(こんな感じのセリフ)というセリフには泣かずにはいられなかった…オールマイトが平和の象徴として、依然と存在できるように何かせずにはいられない。だって、その眩さを間近で見てきたのだから。オールマイトありきの今回の決断、どこかステインと似ているなと思いました。彼もオールマイトだけが真のヒーローであると認めていたから。やはり「平和の象徴」っていう抽象的な概念はどこか信仰的な意味を帯びてしまうのだと思った。しかもデヴィットの場合、その信仰的な世界を実現できるだけの実績・実力を持っているものだから、本当に…!難しい、彼を許してほしいと思う一方で、世間は許してくれるのだろうか。この先の人生、どんな困難が待ち受けているかは分からないが、”科学者”であり続けて欲しい…

 

メリッサはもうね、メリッサがなりたい「ヒーロー」を目指して、進んでほしいと願わずにはいられない!なんだか回りくどい文章になってる…メリッサが作ってくれたサポートアイテムのお陰でデクの腕が紫色になることなく戦いに勝つことができました、ありがとうございます…!あといつか発目ちゃんと共同開発とかして欲しいなぁ…

 

オールマイトとデクの共闘シーン…原作でも描かれることはなかったので、映画で観ることができて本当によかった。デクがどんどんオールマイトに近い動きをするようになり、それを見て涙を流すメリッサを見て、わたしもまた泣いてしまうという…ワンフォーオールの光の演出、USJの時はその結晶をオールマイトが握るという演出でしたが、今回はそれをデクが握りしめるんですよ…オールマイトが託した希望は間違いなくデクの手にあるのだと…ああ…

 

しかしオールマイトって本当チートだよね…普通に飛ぶだけでタワーの外壁が破壊されるってどういうことなの?ヘリコプターを貫通しつつ、デヴィットをしっかり助けるってどういうこと…?あの金属による触手?を見切るってどういう…あ、これはデクや爆豪たちにも言えることだわ。

 

あんだけすげーんなら、”個性”数値下がって青ざめるデヴィットの気持ち分かるわ。でも”個性”の秘密を明かすことはできないっていうオールマイトの残酷なまでの優しさも分かる。だからオールマイトは笑顔で救けることに命をかけるんだろうな。安心させるために。最後の最後でようやくデヴィットが安心するシーンでまたこみ上げてくるものが…

 

(多分今年一番真剣に観た映画じゃないかなあ、これ。)

 

おもしろかった、映画を反芻しながら書きなぐるのもおもしろかった。ああ、幸せな時間を、記憶をありがとうございます。唐突ですが、ある程度吐き出せてすっきりしたので、ここで一旦筆を置きます。整然とした内容は書けない、無理だ。