僕のヒーローアカデミア World Heroes‘ Mission を観てきました

 表題通り、ヒロアカ劇場版 第3弾を観てきました。

 

コロナの関係で、初日は特典とパンフ購入に留め、映画そのものは人の動きが落ち着いてから観ると決めていました。そしてやっと、人との距離を気にせず、ゆとりある空間で観れるかも、と判断してもいいくらいの予約数になったので、早速観てきました。

 

ほんと我慢って身体に良くないんだなって改めて思いました。自分では気付いていなかったけども、初日から観る日まで、どこかずっと具合悪くて、やる気もなかったことに気付きました。観終わってから、ぐっすり寝れて、驚きました。我慢って身体に良くない(笑)しかしある程度自粛しなければ、何が起こるか分からないこのご時世。まあまあ、致し方ない。

 

というわけで、早速感想の方をまとめていきたいと思います。もちろんネタバレがっつり含みますので、まだ観ていない方はここで引き返してください。

 

 

 

今回のOPが非常にかっこよかった。クールな感じでまとめられていて、普段のカラフル&ポップなのもヒロアカらしくて好きなのだけれど、今回のはヒロアカの暗い部分も明らかになっている今の雰囲気にとても合っていました。それだけ彼らも成長したというか、ヒーローの卵として過ごしてきたんだよなあ、と感慨深いものがありました。

 

そして早速海外でのミッション。あのコスチュームいいねえ…他のプロヒーローが普段通りなのに対して、3人だけ新衣装…

 

隠密行動用にステルススーツを作った(作らせた)にしても、色々手厚い…どうせそのバックにいる日本ナンバーワンヒーローがミッションにかこつけて、「何が起こるか分からん、できるだけ目立たないようにしろ」と息子+2人のインターン生の分だけ作らせたんでしょ…分かる…その様子を想像するだけで、非常に微笑ましいものがありました。

 

全体的にテンポが速く、気付いたら終わっておりました。こんな時間のない中、きっちり仕事こなすプロヒーローとインターン生優秀過ぎて、拍手が止まらなかった。

 

デクはOFAの歴代保有者の個性の内、いくつかの個性が発現している状態なので、これまでの劇場版の中でも、最も画に動きがあって、楽しかったです。特に黒鞭で街中を駆け巡る様子は某蜘蛛マークを胸に抱く赤いヒーローを思い浮かべました。

 

個人的にはデクがロディを追いかけるシーンで、民家の窓にオールマイトのフィギュアを飾ってあるのにグッときました。オールマイトの偉業は世界中に知れ渡っているんだと、泣きそうになりました。いや、泣いた。こういう細かい演出に弱いんだよ~…

 

今作はオールマイトが引退し、絶対的な支柱がいない中、それぞれのヒーローがベストを尽くし、動いていくということに焦点が当たっていましたが、本当にデクは成長したなあ…と思いました。追い詰められたときこそ、オールマイトの教えを思い出し、まさに「笑って人を救けるヒーロー」を体現すべく、抗うその姿には、心揺さぶられました。かっこいいよ、デク!!

 

ショートと爆豪は前回に比べて出番は少なめでしたが、ショートはデクからの分かりにくいメールだけで、「ヒューマライズの荷物を取り違えた、故に国境に向かっている」と解読したり、ピンチにはこれでもか!というくらい適したタイミングで駆けつけてくれたり、相変わらずのハイスペックボーイでした。それでいてラストバトル時、水中にあれだけ閉じ込められても辛うじて意識がある…肺活量もすごい。最初の強盗犯を追いかけるとき、町中氷結してしまったので、その後の処理大変じゃねえかなって地味に心配しています。

 

爆豪は本当にブレないというか、最初の時に比べて他の人に対する態度は柔らかくなった(口は悪いけど)けど、その時々で自分がすべく最善の行為を選び取る決定力は秀逸だと思う。それも全て「倒して救けるヒーロー」のため。観ている途中「今だ!ハウザーインパクトだ!」と彼の必殺技を心待ちにしている自分がいました(笑)

 

今回の主人公と言っても過言ではないロディ・ソウルくん。個性を発動しているデクからも余裕で逃げ、何ならパルクールも華麗に決めてしまう驚異の身体能力。本心を簡単には明かさない飄々とした表情。※ただしある意味ではだだ漏れである世間に失望したような冷めた目つきをしているが、家族を想う気持ちは誰よりも強いロディ・ソウルくん…ついでに言うならイケボ。…落ちない人、いる…???

 

予備知識なしで観たので、余計に「え、あ、こう来るの、やばい、胸がドキドキする…これが恋…いや、母性だな。この3兄弟まとめて養わせて。この3人が幸せに暮らせるのなら何でもしたい、寄付でもすればいい???あしながおじさんにならせて」と混乱しながら観ました。ソウル家に幸あれ。

 

ロディの個性を知ったうえで、もう一度観るといろんなところで萌えまくって、愛しさ爆発しました。最初の登場シーンで、ピノがララちゃん、ロロくんに行ってきますのキスをするんですけど、それってそういうことですよね??デクと出会い、初めての夜を一緒に過ごすとき(語弊ある言い方)、デクに対しロディは不信感から背を向けて寝るが、ピノはチラッとデクを見ている。それってそういうことですよね~~???弟と妹のところに帰るためにケースを敵側に渡そうとするロディに対して、ピノはロディを引き留めたり、デクに助けを求める。それって…もう…

 

極めつけはお互いが自己紹介するときに、ロディは自分の名前よりも先にピノの名前を教えるんですよ…ある意味自分の最も深いところを体現している存在の名前を先に教える…ふう…2回目の鑑賞の方が色々とヤバくて、泣きそうでした。

 

ピノを見ていて思うのは、ロディは世間に対して不信感を持っているが、心の中にシニカルな部分はあるけども、ユーモアに富んでいて、それでいてやはり人への愛に満ちている人なんだなって思いました。ロディがどれだけ取り繕っても、ピノを見れば一目瞭然なんて本当に素敵で、愛しさしかない。自分の個性を打ち明けるときの照れるピノがかわいくて、かわいくて、ああああああ~~~~~(語彙力)

 

そんなロディと対照的なのが、今回のラスボス、フレクト・ターン。ロディとフレクトってある意味「自分の心が剥き出し」なんですよね。自分の気持ちがピノとして可視化されるのと同様に、フレクトはその名前通り全てを反射してしまう。対照的ではあるが、似ている2人だなって思いました。この2人をそれぞれ味方サイド、敵サイドに配置するシナリオ。いろんな意味で容赦ねえ(笑)

 

画としての話になりますが、全てを反射する個性のお陰で、デクのOFAの威力の凄まじさを別角度からも確認することができたのも、個人的には好きです。

 

フレクトはその個性から人との触れ合いがうまくいかず、更には自分の心や世間からも離れてしまった。それ故に個性所有者が有利な秩序ある世界を滅ぼそうとした。それに対し、ロディは世間から見放されても、その心の奥底では救いを求めていた。最終的にはその声に耳を傾け、自分の心に忠実に動いた。何とも対照的な2人で、その辺りを意識しながら観るのも面白かったです。

 

最後の方、フレクトは個性の限界点を越え、個性が発動していない状態になったが、どうなんだろう。フレクトもある意味プルスウルトラしたその先に、【限界を迎え、個性が一時的に発動できない状態】になっていたら、誰かに触れることができるかもしれない、なんて思いました。あれ、フレクトもめちゃくちゃ気に入ってない、わたし?

 

※余談

地味にヒロアカの世界について疑問に思うことは、個性を有して生まれるのは当たり前のこととして、フレクトやその他、その個性を有しているため社会的な生活を営むのに支障ある人たちに対してどういう支援を行っているのか、ということ。例えば幼少期からこの個性をコントロールできるようトレーニングする機関や、あるいは治療的な意味で個性を弱める医学などはどうなっているのかなって前から思っている。作中において個性は幼少期発現、なんとなくコントロールできるようになるというゆとりさはあるが、それに当てはまらない人たちへの支援って…??野放しにした結果、ヴィランとなり、中には捕まってしまう人がいるとしたら、もう少し予防的な介入も必要なんじゃないのかなって思ったり、思わなかったり。全てが最終的に現場にいるヒーローに責任が行くのだとしたら、それはそれで世知辛いものがある。

 

こういうことについて考えるのも、それだけヒロアカがある種のリアリティを持った世界だからだよな~としみじみ。

 

話が逸れましたが、今回の作品はオリジナルキャラであるロディやフレクトを含め、全体的に【個性】にまつわる暗い部分にクローズアップされた作品だと思います。それでもデク達はどんな人々も救けられるヒーローを目指して、更に強くなっていく。それが恐らく次代の新たな希望へとつながっていくはずだから。

 

願わくば、善悪の価値観を超越し、全てを包み込んでしまうような、そんな大きな存在になって欲しいです。価値観の競り合いによって、何かと息苦しいこの頃だからこそ、余計にそう思う自分がいます。デクたちが放つ光が、暗澹たる黒雲を引き裂き、そこから大いなる光が零れてくるような、そんな光景を待ちわびている自分がいます。

 

きっと、オールマイトもその未来を信じて待っているはず。

 

今回オールマイトは完全に待つ側にシフトしたけれども、例えば敵の罠だと分かっていながらも現場を駆けまわるヒーローを信じたり、デクたちが爆弾を止めてくれると信じ、待っていてくれた。オールマイト自身がそうやって誰かの期待や信頼を背負って、その上で結果を出してきた人である以上、「信頼を寄せる」ことの重さを誰よりも知っている。そんな彼が信じてくれている。それはデクたちにとっても、大きな励みになるよね…力強い。オールマイトという存在は。本当に。

 

まだまだ陰鬱な時期が続きますが、このタイミングで劇場版を観れたことを心から嬉しく思います。そして大変な時期、公開に向けて作品を作ったり、公開できるよう調整してくださった方々に感謝いたします。本当にありがとうございます。

 

今、この時代を生きる人々、皆様が安心し、安全に暮らせますように。

God Bless Us.